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紙芝居は、日本に古くから伝わる伝統芸能のひとつです。その起源は、江戸時代さかのぼり、興行物「写し絵」(動く幻燈)からの進化だそう。

「写し絵」とは、江戸末期から行われていた興行で、映写幕にガラスのスライドで絵を写し、それにあわせておはやしや台詞が入る見せ物。

その、最後の江戸写し絵師、両船亭船遊さんという方が、明治中期になり、写し絵師を廃業して人形芝居師に転身したのをきっかけに、写し絵を描いていた画家の「新さん」というひと(落語の前座もやっていて、円長の弟子だったとも言われているそう。正式名不明)が、写し絵の仕事がなくなるのをおそれて作り出したのが初期の紙芝居。

初期は縁日で子供向けに上演されていましたが、その後、縁日から街頭へ。自転車であちこち走り回るおじさんたちが生まれます。見物料として、水飴などのお菓子を売るスタイル。

関東大震災や戦争などをへて、紙芝居文化はテレビのない子供たちにとって一番の娯楽となりました。やがて戦後の高度経済成長期のなかで、テレビが一般家庭に普及したのを大きなきっかけとして、街頭紙芝居はその勢いを失い、ストーリー漫画やアニメーションなどに、紙芝居屋さんたちは転業してゆきました。

それからも子供向けの教育紙芝居はずっと残り、いまでも図書館などではよくお話会がされています。紙芝居のいいところは、どんな人でもできるところ。家庭で、お母さんが読んであげることもできます。

21世紀になって、紙芝居は「共感の感性をはぐくむツール」、そして日本独自の文化として国際的に見直されてきています。

『紙芝居昭和史』加太こうじ著

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